理念・ミッション
- 企業理念:BEYOND ALL BORDERS
- ミッション:誰もが挑戦できる社会を創る
- ビジョン:「障害者×テクノロジー×リアル」のプラットフォームで、日本の社会課題を解決する
2020.09.14
代表取締役
杉本大祐sugimoto daisuke
BEYOND ALL BORDERS 誰もが挑戦できる社会を創る
今回取材を行ったのは、障害者雇用のリーディングカンパニーである株式会社D&I。障害者雇用コンサルティングを10年以上続けており、障害者のテレワーク支援サービス「エンカク」は100社250名以上の就業支援実績・定着率は90%以上の実績を誇る企業です。
業界の常識を変えていく確かな戦力となる障害者雇用を実現するために、企業の生産性向上に向けた提案を行ってきたからこそ、同社は成長を果たしてきました。その秘訣には「企画提案力」は当然のこととして、「障害者を一人の人間としてみるスタンス」「人となりの教育による、社としての判断軸の研鑽」など、杉本社長が大切にする価値観・判断軸の浸透がありました。
もともと私は人材事業に携わる会社で働いていました。私が30歳の頃、新規事業立ち上げの責任者をすることになり、障害者の人材紹介事業を始めたことが転機となりました。
当初は「市場」という言葉を使うことさえも不謹慎とされ、「障害者を食い物にするのか」と言われたこともあり、風当たりを強く感じることもありました。また障害者や、その親たちも「できない」「うちの子には無理かもしれない」と、可能性や選択肢を狭めてしまっていることに強い違和感を感じました。
障害者である前に一人の人間です。そんな実態を「なんとかしよう」と思うと同時に、行政だけでは解決できない根深い問題があると感じました。そして障害者雇用事業に携わる中で、「自分はこの仕事を一生やっていくんだろうな」と自然に思うようになったのです。
障害者雇用事業を進め、10名近い組織体制に拡大をしてきた頃、リーマンショックの影響で会社の状況が厳しくなり、事業縮小を余儀なくされました。ようやく面白みとやりがいを感じられるようになっていたこともあり、D&Iの設立に踏み切ったのです。正直、どこかの会社で行うのか自分でやるのか、というのはあまり関係なく、障害者雇用事業に専念できる環境であればどこでも良いと思っていました。それぐらい、この事業に想いが強くなっていました。
当社の企業理念である「BEYOND ALL BORDERS」は、設立メンバーである3人で決めたもので、今も変わりません。 “障害”や“病気”という壁にくじけず頑張ろうとしている人はたくさんいます。そんな「挑戦したい」という人たちを応援し、「同じ人」として、壁を乗り越えるサポートをしたいと思っています。
人材事業であり、企業からお金をいただくモデルですので、まずは企業の開拓に注力をしました。知り合いの企業に挨拶周りをして契約の話まで進んでいくのですが、驚いたことに弾かれてしまうのです。お付き合い先が全て大企業であったことから、人事は通っても購買部や財務部で引っかかってしまい。設立0年目、紹介免許もまだない、そのような状態で今振り返れば無謀な状況でした。
しかしそういった中でも、過去にご縁があったお客様から力をお借りすることができ、ある大手のお客様が、企業も障害者も集めてくださったイベントで私が司会をするようなこともありました。そうするとその企業と当社の間で専用口座ができ、購買部を通さなくとも契約を行えるようになるのです。そういった知恵をお客様が提案してくださるなど、創業時の大変な時期に手を差し伸べていただいたことは、今思い返してもとても嬉しいことです。
会社の信頼に依存するのではなく、個人として信頼を勝ち取れるように努めてきました。だからこそ担当者一人ひとりと向き合って信頼を積み重ねていくことで、会社が変わっても話を聞いていただけたのだと思います。この考え方はとても大切なことだと思っているので、D&Iの社員たちにもよく話をしますし、逆に会社としてはその実現に向けたサポートができる体制をつくる必要があると思っています。
そういった苦労を乗り越え、ある企業の競争入札を勝ち抜き、大型受注を得てからは、それが新たな手掛かりとなり、現在のようなビジネスができるようになりました。
※苦労期を乗り越え、現在では有数の企業にも導入実績を誇る
国としても働き方改革を掲げているように、日本の労働人口の不足や労働生産性の低さは、大きな課題の一つです。その課題に対して障害者雇用を切り口に、課題解決へと貢献していけたらと思っています。また雇用者視点では、新型コロナウィルスの問題があり、働き方が大きく変わる可能性があります。そんな今だからこそ、雇用の幅・働くスタイルを広げ、障害者の「真の自立」までサポートできたらいいなと思っています
また障害者雇用促進法で従業員45.5人以上の事業所は、2.2%以上の障害者雇用が必要と定められていますが実態は約50%です。ただ、それを達成させるのは目的ではなく、真の戦力化として達成することが大事だと思っています。障害者を障害者としてとらえるのではなく、一人の人間としてとらえた際に、できることはもっとたくさんあります。私たちはまだ微力であり、世の中にそれを伝えられていない現状です。法律で決まっているから生まれる雇用ではなく、企業にとっての有益性を感じてもらえる雇用を生み出していきます。そのために、新しいサービスも検討していますので、今後ともぜひ期待をしてください。
当社は創業以来、一貫して障害者雇用に関する事業を展開しております。現在は、有料職業紹介「DIエージェント」、障害者向けの総合求人サービス「BABナビ」、障害者のテレワーク支援サービス「エンカク」、定着支援サービス「ワクサポ」といったように、採用~入社後の定着・活躍支援に渡る網羅的な事業を展開しています。
また、放課後等デイサービス「テラコヤキッズ」では、小学生から高校生までの支援をしており、就労移行支援「ワークイズ」では就業訓練を行っています。学生から社会人に至るまで網羅的に障害者の支援を行っていますので、企業が障害者を採用したい、障害者が働きたいと思ったら、まず当社にご相談いただければと思います。
障害者雇用支援にテーマを設定しながらも、最初から具体的なサービスを決めていたわけではありません。現在のサービスはお客様との話を通じて、その課題に応えるために生まれたものばかりです。例えば、障害者のテレワーク支援サービス「エンカク」は、10年程前からそのモデルをつくっていました。
お客様と話をする中で、人材紹介とサテライトオフィスといった話題になりました。しかしサテライトオフィスはコストがかかってしまいます。それであれば在宅で仕事を行ってもらい、そのフォローを私たちで行う提案をしたところ、契約に至ったのです。マネジメントの手間を省きながら、業務管理を行えることが価値であり、決め手となりました。
今でこそ新型コロナウィルスの問題によるテレワークの推進により一般化してきましたが、それでも導入率は18%ほど。当時はテレワークの概念すらほとんどない状態でした。ですが、有益なサービスは受け入れてもらえるものです。当時、時代に先駆けて導入いただいた数社から、現サービスの原型ができています。このようにしてお客様の課題に対して、うまくアイデアを用いて解決していく。その繰り返し、試行錯誤を通じて、今のようなサービスラインナップになっていったことは、他社にない独自性とも言えます。
もちろん企画ありきでは導入いただけないので、各社ごとにカスタマイズをしてメリットをつくれるようにすることがポイントです。今のように、働き方や生活のスタイルが大きく変わる局面はチャンスとも言えます。どのように変化するか予測して、どこに課題があり、どうすれば解決できるのか、そういった提案は当社の強みを生かす機会です。
障害者雇用促進法という法律があり、一定の規模以上の企業になれば障害者雇用が義務付けられています。だからといって、そこに依存をしても仕方ありません。そもそも「法律があるから採用してください」といったスタンスは、ビジネスを行う上でとても気持ちの悪い話です。どうすれば雇用に価値を生み出せるのか、戦力化できるのか、それを念頭にサービスを提供していくことが大切です。その点は当社がずっと意識してきた点です。
保育園でエンカクを導入して頂いた事例に関してご紹介します。昨今、保育士の業務過多について問題になっていますが、保育園は命を預かる大事な場所です。その責任を担う保育士の業務は、お子さんのお世話や事務処理、イベントの準備など多岐にわたります。
中には、業務が就業時間中では終わらず、仕事を持ち帰ってやっている人も少なくないと聞きます。重要な責任と膨大な業務に追われる保育士の働き方を改善していくことは、保育園にとっての最優先課題とされていました。
そんな保育士の負担を軽減するためには、日々の業務の効率化を図る必要があり、「どこまでを先生自身がやるのか」という業務の分担が大事になっていました。そこで割り振れる業務としてもちあがったのが、小道具の作成や、園で使う消耗品の縫製でした。保育士の中で、この業務を持ち帰っている人が比較的多かったため「であれば、自宅でもできる作業なのではないか」という提案から導入に繋がりました。
現在、エンカクを活用して体調管理や制作物のスケジュール管理を行いながら、障害者が雑巾・バスタオルなどの消耗品から、先生や園児に提供するエプロン・三角巾、イベントで使用する折り紙の金メダルやぬいぐるみなどを自宅で作成してくれています。
これにより、現場の負担は大幅に削減することができましたし、実際に働いている障害者もお子さんが居る方が多いので、子育てとの両立をしていただけるようになりました。更に、お子さんが居るからこそわかる創造力を活かしてもらえるので「ここにポケットがあったら嬉しいかな・・・?」など、気遣いのある制作物が届くようになり、双方にとってプラスになる雇用となりました。
人となりをとても大切にしていますし、私自身が社員の人となりを理解することを大切にしています。仕事は日々判断を求められます。それは経営層であろうと中間層であろうと若手層であろうと変わりありません。そして一つひとつの判断が会社の理念や向かう方向に即したものであることが重要です。
それには業務スキルも必要ですが、価値観や志向性といった人となりの面が大きく影響を与えます。日々対面で会っている人間同士で確認し合うことが一番大事ですが、その時に私であったらどうするのかと知ってもらうことによって、会社全体として判断のズレがないようにしていきます。
例えば現場寄りの話ですと「お客様とパートナーの関係性でいましょう」といった話はよくします。お客様の上に立つ必要も、下に立つ必要もありませんので、きちんとお互いのために言い合えるパートナーであろうといった話です。お互いに成長できるように接していくことが大事だと思っているからです。他にも当社の行動指針について、なぜそのような行動指針があるのかブレークダウンしながら話を行うことで、理解を深めています。
理念研修と直接的なコミュニケーションです。理念研修とは、社内で月一回、私が話をする研修会です。「新型コロナウィルスの問題の中での働き方」「私の履歴書と働く価値観」といったように、毎回設定したテーマと会社の理念を絡めて話をしています。新入社員以外の参加は自主制として、今年で5年目になりました。
※同社の理念研修の様子
今は新型コロナウィルスの問題もあってできていませんが、飲み会での直接的なコミュニケーションは多かったと思います。表情を見たり、話をしていると、その人の深い人となりを理解することができるので、毎晩というくらい飲んでいました。もちろん、社内で顔合わせして、話したりすることも大切ですが、もっと込み入った話もできますので、飲み会文化は大切にしています。
会社のハブとなる部・課長陣の成長が特に重要です。最近は事業計画をつくるところから任せる形をとっています。ゴール設定は私が行うのですが、それを実現するために何を部や課の課題として設定するのか、何をKPIとして、どのようにPDCAを回すのかを考えてもらいます。また実践をする中、一つの部・課でうまくいったことを他の部・課が学ぶことで視野を広げることができるので、その共有をうまく行いながら実施しています。
また部・課長会議でも、あまり口を挟まないよう、要所に抑えるようにしました。でももしジャッジメントに迷うことがあれば「私であればこう考えるよ」ということを伝えることで、ジャッジメントの基準や新しい視野を持ってもらえればと思っています。
組織を拡大すること自体が目的にならないようにすること、労働集約型にならないようにすること、この2点を特に意識しています。現在取り組んでいることは、現事業の生産性を高めるために、組織内での役割と責任を明確にし、必要に応じた権限移譲を進めることです。それにより個々人の生産性を上げていきたいと考えています。
現状は人に業務が付いており、属人的になっています。これを業務に人をつけるように変化させ、組織としての再現性や生産性を高めていくことが大切です。そもそも私の属人で始まったような事業ですから、そこを脱却することが目下重要事項です。
理想となりますが、強い個人が集まった組織が一番強いと思っています。個々人のスキル向上と組織的な仕組みづくり、その両軸をうまく機能できるような組織体を目指していきます。そうやって事業が順調に成長して、社員も安心してこの会社で働ける状態をつくっていきます。
理念・ミッション
社名
代表
事業内容
〇HRソリューション事業
〇教育事業
設立年
社員数
売上
所在地
企業HP
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